喪失 歴史

7月16日大学の友人とビリヤードに行った。

その後夜の渋谷へと繰り出す。

 

 

初めてHUBに入る。

店内はそこそこの混み具合。

外人と日本人の割合は半々くらい。

 

女の子にどんどん男が声をかけて行く。

これは戦いだ。

友人も女の子に果敢に声をかけている。

 

その時僕は

 

突っ立っていた

 

何もできずにただ酒だけを煽る。

周りから楽しそうな笑い声と大音量の音楽が聞こえてくる。

 

 

全くもって声をかけられない。

緊張?恥じらい?

なぜなのか自分でもわからない。

 

なんて話したらいいかわからないしなぁ。

そんなことを考えて話しかけることができなかった。

一度だけ少し話したが何を話していいかわからず目をそらしてあまり話せなかった。

不甲斐ない

圧倒的に喪失する自信

 

一度店を出てフラフラと一時間ほど外を彷徨う。

深夜の渋谷は蒸し暑い。

 

外で座れる場所を探して腰掛ける。

束の間の安息。

友人は少し離れたところに座る女の子2人組に声をかける。

しばらくして戻ってくる。

カラオケにでも行こうとなったらしいが僕の方を見た時に眠そうにしていたためダメになったらしい。

何ということだ。

 

その後

二度目のHUBに挑戦する。

一時間ほどモゾモゾとしてついに声をかける。

 

二人ですか?

よかったら一緒に飲みましょうよ!!

せめて乾杯だけでも!

アザァーース!

 

だいたいこんな感じだった。

声の掛け方を悩んだ結果ただノリがとんでもなく軽い大学生のようになってしまった。

他を当たった方がいいですよとわかりやすい断られ方をして撃沈。

 

ここで吹っ切れればよかったがそんなこともなかった。

羞恥心はつきまとう。

 

店を出てそこから朝の四時、始発まで外にいた。

 

街にはナンパをし続ける男が一人。

一回目HUBに入店した時にも頑張っていた男だ。

 

今度は舞台をかえて外でストナンをしている。

結果始発間近となり人が増えた渋谷駅前でも彼はナンパを繰り返していた。

すごいガッツだ。

 

先ほどと同じ位置に腰掛ける。

するとさっきの二人組の女の子に再度遭遇。

しらない男二人を連れている。

 

ずっとつきまとわれて困っているらしく顔見知り?の僕の友人に声をかけたそうだ。

その子たちと少し談笑。

 

彼女らは数分してまた夜の街に足を向けた。

 

 

 

丸々夜の渋谷を体感して考えたことがある。

それは渋谷の夜には毎日物語があるということ。

それぞれ思い思いに行動をしている。

 

そえぞれの夜を越えて始発間近の渋谷駅前に人々が集まった時、渋谷が謎の一体感でまとまっているような気がした。

ベンチに座っている横の人間は男でも関係なく声をかけて話を楽しんでいる。

アルコールの力もあるのだろうがそれでも、皆夜を乗り切った、あとは家に帰ろうという同じ意志を持っている。それは言葉に出さなくても表情や仕草から感じ取ることができる。何十人、いや何百人の人間が同じことを考えた時それはモヤモヤと目にはみえないが確かに発生していて、みんなを包んでいた。

 

帰って着たら家の鍵が閉まっていた。

居候先の住人に電話をかけ開けてもらう。

すまんな。

そして一緒にナンパに繰り出すはずだったのに何もせずに悪いことをした。

 

このままでは終わらせんぞ。

諦めなければそれは負けではない。